【読書ノート】★社会人3年目まで必読★戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (読書ノート23冊目)
■概要
戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 三枝匡
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2002/09/01
- メディア: 文庫
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実際のリアルな事業の立て直しを小説風に書き直したもの。
単なるフレームワークの当てはめだけでは問題が解決していかないところにリアリティがあった。
また、時間軸も忠実に再現されており、現状の分析、計画の策定にじっくり時間をかけている印象がある。
■気になったこと、おもしろかったこと
1、事業を立て直すということについて
本書全体で展開される事業の立て直しの流れを以下に整理する。
シンプルにいうと、「現状分析・調査⇒戦略の策定⇒実行⇒効果確認⇒実行」という流れ。
※ただ、本書を読めばわかるが、一つの事業を立て直すというのはとてつもなくエネルギーを使い、頭を使い、人と協力しないと不可能。
①プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに沿って、自社の商品・サービスを分類する
事業の立て直し時には、まず企業の既存のサービス・商品どのような状態なのかを把握し、今後企業のもつヒト・モノ・カネをどこに集中させるかをきめる必要がある。
②製品ライフサイクルを加味したうえで、集中する商品・サービスの選定
導入期、成長期、成熟期、衰退期の特徴を考えながら、花形⇒金のなる木となりうる商品を選ぶ
③②で選択し商品の詳細な調査
・②で選択した商品のシェア・競合他社の動向
・なぜいままでうまく売れていないかの分析
例)
・当事者意識が感じづらい営業体制
・顧客に割高に感じさせてしまう価格、
・一度に高額の商品を購入できないという営業先の予算制度
・本来のターゲットではなく営業が行き易い顧客ばかりに営業してしまう風習
・目標や実績が見えにくい現場、市場における自社製品の立場がわかりづらい現場
④戦略策定
・③で検出された要因を解決する策を組み込みながら、新しい戦略を計画する。
・ターゲットの絞り込み(どの期間にどのターゲットにアプローチするかも含めて)
2、生ぬるい雰囲気の時は、意識を外に向け一体感を持たせること
目標がなく、競合の実績も自覚していない場合、日々が惰性となり社内になまぬるい空気が流れる。
そうした時は、意識を外に向け、わかりやすい外部の敵・目標を作ること。
この外部に標的を作り、内部の組織に連帯感をもたせるのは、国際会議から小学校の友達づくりでも共通して起きている気がする。