【読書ノート】ワーク・ルールズ!(24冊目)
■概要
- 作者: ラズロ・ボック,鬼澤 忍,矢羽野 薫
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
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グーグルの人事にて実施されている人事制度、人事制度の背景、理念などについてまとめられている書籍。
グーグルという世界的な企業が、「人」をどのように捉えて、どのように制度を導入していくのか細かく整理されている。
■気になったこと、おもしろかったこと
①新しい試みは、小さく導入し、効果を定量的に測定し改善する。
一つの例として、食堂の摂取カロリーおける改善活動を挙げるが、他にも評価制度、採用活動などで上記のサイクルを愚直に行い、かつ取り組みを全社員に公開している。
グーグルの食堂は無料であることは有名。そこで、「少しでも社員に健康的になってもらう」という課題に対し、以下の取り組みを一部の食堂でデータを取った。「なにが効果的でかつ、社員からの不満もでないか対策なのか」を調査、改善した。
・ポスターでカロリーの摂取量について注意を促す
・肉なしの日を作る
・皿の大きさを変える
※結局、皿の大きさを変えるが効果的。小さいお皿も配置し、かつ「ポスターでその効果を宣伝する」という取り組みを行った。
小さいお皿に盛ると、見た目による錯覚(同じ量でもたくさん盛ってあるように感じる)が起こり、摂取カロリーが減る結果が出ている。
②社員の仕事の意味・目的を明確にすると、生産性・仕事に対する満足度が上がる。
上記は、グーグルにて測定済み。以下のように仕事に対する態度は様々。
・目的もわからず無心で作業を実施する。
・不満を言いながら作業を実施する。
・目的を理解し、作業に取り組む。
想像通り目的を理解し、作業に取り組んだ場合が生産性・社員の幸福度が高い。
これを受けて、グーグルでは仕事に対する意味づけをより理解しやすくするために、サービスを利用する消費者に直接顔を合わせるようにしている。
SIerも下請けとなると、ほとんどユーザの顔が見えず、見えるのは「設計書」や「理不尽なことをいうリーダーの顔くらい」。
なんのために、システムを作り、ユーザはどんな思いでシステムを使っているのか、使うのか。作業に対する影響を考えると、
上記のことを実感してもらう場があったほうがいいのかもしれない。
③従業員の評価については、2本のテールに注目する。
グーグルは、最も評価の高いテールと最も評価の低かったテールに注目する。
社員もマネージャも関係なく、部下・上司に対し評価をし、フィードバックを行う。
マネージャは特に権限をもち、権威的になりやすいため注意している。
権威的かつ、マイクロマネジメントを行うマネージャは総じて評価が低く、チームとしての実績も低い傾向にあるという。
●最も評価の高いテール
・どのように高い評価を受けたのか、どのように仕事を進めているのかなどを講師として研修を行う。
●最も評価の低いテール
・解雇すると、採用コスト、これまでの教育コストがばかにならない
・下位の10%が中央値くらいまであがると、会社として改善効果が大きい。
・解雇ではなく、現実を受け入れさせる
・現実を受け入れた上で、建設的な観点でどうすれば他者からの評価が上がるのかを考え実行してもらう