【読書ノート】今、一番組織開発分野で熱い人の書籍紹介「すべての組織は変えられる (PHPビジネス新書)」(90冊目)
■面白かった点、興味深い点
①麻野さん自身が、イケていないリーダーであった。
実は自身が、高い目標をできてなければ、ツメる上司であったという。その影響で、退職者が続出し、リーダーの在り方を考えるきっかけになったとの事。
組織論のサービスを提供する当事者である方でさえ、なぜ自分と同じようにできないのかという視点で、マネジメントしてしまうのだから、普段人材開発/マネジメント手法に興味がなければ、相当意識しなければならないのかもしれない。
②どんな優れた戦略でも、実行する人次第
リーダーが立てた戦略や計画に対し、メンバーが腑に落ちていなければ、結局徹底されず、失敗に終わる。
戦略そのものの正しさというよりは、メンバーが徹底していないため、その戦略や計画の確からしさを測る事も難しくなってしまう。
どんな意見を受け入れる、疑問に思った事を言ってほしい、言い合える関係がないと、上記も難しい。
そのために、アンフリーズ→チェンジ→リフリーズという関係性の再構築が必要。それにより、相互不信を解き、共感/納得観の醸成、成長時間を持たせる。
③社会の成熟度とマネジメント手法について
◯◯のようにマネジメントすればかならずうまくいくというのは解はない。どうすればうまくいくかを考えるのが鉄則。
現代社会は、マクロな社会の成熟度として、物質的な欲求は満たされている傾向にある。
そのため、「◯◯をすれば昇級する」、「◯◯をすれば年収が上がる」という直接的な報酬によるマネジメントは効果的でなくなってきている。
マズローの五段階欲求である、承認欲求/自己欲求をいかに満たしてあげるか重要である。
④総評
書籍の中に人材をパターン化して、モチベーションをあげるポイントを体系化するような記載もあったが、あくまで一人の人間としっかり向き合って、個別に決めつけず接する事が一番大事かもしれない。
- 作者: 麻野耕司
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2015/08/19
- メディア: 新書
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