【読書ノート】ファスト&スロー(82冊目)
■概要
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
「意思決定や判断を行う際の思考」を「本能的な思考」と「分析的/論理的な思考」という2つにわけて、認知バイアスや判断エラーについて述べている書籍。
本能的な思考は、ファスト(早い)であり、論理的思考はスロー(遅い)と定義している。
「この2つの思考が物事を判断する」というのは非常に面白くて、納得感もある。
また、認知のバイアスや判断エラーについても、その過程を具体的な事例に基づきながら、説明してくれている。
以下のような人には、おすすめの書籍。
・合理的な意思決定をしていきたい
・思い込みが強いといわれる、またはその理由を知りたい
・偏見や決めつけに違和感を持っている人
■面白かった事、気になった事
①内気で、内向的な女性の専攻学科はなにか?
a.経済学部
b.文学部
c.工学部
紹介されていた判断エラーの1つ。
ステレオタイプでの判断だと、文学部といった回答になる。
だが統計学的思考があれば、大学生全体の割合に占める文学部の割合を鑑みると、上記の回答はたしからしくない回答となる。
上記は、統計学を専攻している多くの学生も、代表性(ステレオタイプ)に引っ張られ、
基準率を踏まえた論理的な思考を踏まえた上での回答をしなかったという。
直感は即効性があり比較的妥当なケースも多い。
だが、代表性に引っ張られる可能性がある事を把握しつつ、自己認知していることが判断エラーを防ぐ。
②ハロー効果と印象の順番について
・頭がいい→嫉妬深い→内気
・嫉妬深い→内気→頭がいい
上記の2パターンだと、同じ事をいっていても、印象が良いのはおそらく前者である。
ハロー効果によって、一部分の印象が全体印象になる傾向があるため、認知が歪んでしまう。
上記のような認知の特徴があるため、第一印象が大事であり、そこから大きくひっくり返すは難しい。
逆に自分が認知する立場の場合、時系列を意識せず、人を理解し続けようとする態度/スタンスでいた方が良い。
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ダニエル・カーネマン,村井章子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 文庫
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