【読書ノート】未来に先回りする思考法(13冊目)
■概要
- 作者: 佐藤航陽
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/08/27
- メディア: Kindle版
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以下のような時代を読み切って、世界展開するベンチャー企業経営者の書籍。
・スマホの普及・androidOSの爆発的な普及、アジアのハブとしてのシンガポール台頭
■気になったこと、面白かったこと
1、テクノロジーの本質は、「人間の機能の拡張をすること」
例)センサー:視覚、タッチパネル:触覚、OCR認識:視覚、音声認識:聴覚、
主に動力における革命であった産業革命から、人間の「脳」を拡張している情報革命が起きている。
短期記憶をメモリへ、長期記憶をHDディスクやSSDへ、人間の情報処理をCPUへ。
テクロノロジーのゴールは、「人間がより考えなくなること」というのはとても腑に落ちた。
いずれAIに質問・相談をすれば過去の事例や、質問者の背景を考えた上で解をだしてくれるようになる
人間は、考える行為を「外だし」することになっていくということ。
・それによりいままで「考えていた時間」は、なにに変わるのか。。
・味覚や嗅覚は、テクノロジー化されたらどんな商品やサービスが生まれるか。
2、「ものごとの本質を知る」ということは、「システムや仕組みの必要性を知ること」
歴史的に見ると時間が経過すると、「手段が目的化」するということが繰り返されている。
例)間接民主主義への疑問に気づくこと。
「若者の投票率が低いことは、問題だ」という世論がある。
だが、そもそも「間接民主主義」は、人口が一定以上になると物事が決めにくくなるため、
代表者を決め、代理で話し合いをしてもらうという民主主義を実現する一つの手段である。
「投票率」というのはあくまで間接民主主義という手段における数値にしかすぎないという認識をもっていれば、インターネットの普及によって場所性・時間制を超越することが当たり前になってきている中で、決まった日の決まった時間に投票してもらうというのに問題があるのでないかという視点が持てる。
ただの手段にすぎないのだから、うまくいっていないならうまくいく方法で、全員の合意をとれればよい。たとえば、ネット選挙とかで投票率があがるならそれでもいいということ。
上記のような時間がたつことにより、投票日に投票することが民主主義を実現することだというように「手段が目的化する」というのは、どのレベルでも起きている。
仕事の進め方や、社内承認の手続き、上記のような政治システムのレベルでも。
そもそも「なにを解決しようとして、なにが目的で」という視点を忘れないようにしないと、なと。