【読書ノート】スナックがつぶれない理由 ファンベース (ちくま新書)から考える(87冊目)
■概要
この書籍を読めば、「スナックがつぶれない理由」がより深く理解できる。
他の店に比べた強み(立地/価格/料理の上手さ)が明確にあるわけではないが、なぜかつぶれないスナック。
それを支えているファンは、「どのようにファンになっていったのか」がイメージできるようになった書籍。
本書では、ファンの定義としては、「企業やブランド、商品が大事にしている価値」を支持している人」としている。
「パレートの法則にて、コアなファンである20%が8割の売り上げに貢献しているのであれば、このファンの増加または、ファンの強化を見なすべき」としている。
具体的なカゴメやカルビーの取り組みなどを提示しながら、新規のターゲットを狙っていくよりも、「ファンを大事にしていくこと、ファンを好感度を増加させる事」を主張している。
①前提とする購買行動の的確さとファンという考えについて
生活者の取り巻く環境が変化するで、マスに向けたテレビ広告、新聞広告や明らかな広告では、商品を購入までいたらなくなってきている。
より有効なのは、身近な友人に本心から商品を進められる事だという。
たしかに、損得勘定もない純粋な友人から進められた店には足を運ぶし、書籍などもその場で買った記憶がある。
特定の商品/サービスを友人に勧めたいという層が、「ファン」にあたる。
※外資大手メーカーは、「NPS」という定量調査にて上記の「友人にお勧めするか」という値をスコアリングしている。
自分が人に勧めた商品という具体的な記憶をたどると、以下の例がある。
商品が提供する価値に強く共感している場合やストーリー性に紐づく愛着があるケースが多いなと感じる。
・Kindle
→商品購入後、圧倒的に利便性があることを実感。それが言語化しやすいため、・地方旅行に行き、たまたま見つけた飲食店がめちゃめちゃ美味しかった時、接客がすばらしかった時
→唯一無二のストーリー性があるため。
②ファンにする方法
書籍を以下をあげている。商品やサービスに触れる過程でファン施策が打たれているのかどうかチェックできる観点。
・共感を強くする
-ファンの言葉を軽重する、優先する。・愛着を強くする
-開発ストーリーやユーザ体験に物語性をもたせる。ファンが参加できる場を増やす。・信頼を強くする
-顧客接点に常に誠実に接する・応援される存在になる
-コアなファンと共創する。等身大の人間である部分を見せる。ソーシャルグッドな活動を行う。
自分もファンである著者がいるが、その人が紹介した書籍などはノーロジックで購入している。
「強いファン」を作れたら、商品機能の差別化といった無機質な部分よりもよっぽど強いのかもしれない。
地方に点在するSTPも踏まえず、出店を行い、存続している数多のスナック。
そのスナックを支えているのは、上記のようなファンだと思われる。
自分の店のように、グラスを片付けたり、酔いつぶれた店主を担いだり、、、
お客さんにとって、唯一無二のストーリがあり、店主の愚痴をきいたりすることで応援したくなったり、、