【読書ノート】データの見えざる手(69冊目)
■気になったこと、面白かったこと
①人間の活動量をウェアラブルデバイスで計測し、組織の活動、社会現象について、科学的/統計学的に分析
腕にウェアラブルデバイスを装着し、ミリ行単位で、24時間の行動を記録を行うことで、データを大量に収集し、様々な角度から分析。
※本書の中で、年単位で、複数人のデータを計測することによって、詳細なデータを収集/分析している。
上記の定量データから、人間のモチベーションや、成果のできる組織、社会現象について、言及している。
通常の社会科学の書籍とアプローチが異なり、非常に面白かった。
②幸福度の左右する要因
下記は、同じDNAを持つ一卵性双生児が異なる家庭環境にて育った事例を集め、
分析したことによって判明した事実。
・幸福度の5割は、遺伝子で決まる。
・1割は、環境要因(仕事/私生活/友達等の状況の人間関係といった外部環境要因)
※多くの人が、この環境要因が最も大きく影響すると考え、改善しようとする人が多い。
・残り4割は、物事に対するスタンス/姿勢(自らの意思で積極的に行動を起こしたか)である。
「どのような実績を残したか、成功したか」よりも、積極的に自分の意志で行動を起こしたかに左右される。
③幸福度が高い社員は、活動量も多くなる。
ある企業での実験にて、「今週のよかったこと」を週10分間を使って、書き出すということを行った。
上記と中立的なことを書き出したグループを比較すると、
ポジティブなグループほど活動量が多く、パフォーマンスも上昇した。
④上司/部下/部下の結合度により、組織パフォーマンスは、上昇
コールセンターという個人業務/オペレーションとしての業務が多い職場にて、実験を実施。
休憩時間の会話が活発であったグループ/期間ほど、パフォーマンスが高かった。
また、上司と部下、部下と部下同士のコミュニケーションが密であると、組織のほうがパフォーマンスが上がる。
ただ、上記の関係性の中で、コミュニケーション種別が、相互的かつ「建設的」である場合のみ効果的。
「追従」や「懐疑」というコミュニケーションであると、効果は低い。上記を踏まえると、組織内の交流イベント、運動会などもそれなりに意義が合ったものかもしれない。
データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
- 作者: 矢野和男
- 出版社/メーカー: 草思社
- 発売日: 2014/07/17
- メディア: 単行本
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