【整理】「デジタルなギフト(贈り物)を実現する「ギフティ」の成長」とそれにより「衰退」するもの
■概要
日経トレンド(1月号)にて、多様なデジタルなギフト(贈り物)を実現する「ギフティ」が紹介された。
その成長とそれにより衰退するものは、なにかについて整理する。
■サービスの概要
ギフティのサービスは、
「WEB上で簡易なギフトを購入し、SNS(特にLINE)やメールで簡単に贈ることができる」
というサービスである。
例)スタバのドリンク、ハーゲンダッツなど。
これは、以下のような市場を捉え、ここ数年で会員数は6万人と急拡大しているという。
歳暮などのフォーマルなギフト市場が縮小する一方で、ギフティが捉えたのは、日常のコミュニケーションの延長線上にある「重くないギフト」市場。
■どんな価値を提供しているか?
日常的にSNSを利用している成人が、日頃の簡易な感謝を送りたい時、または誰かの記念日のときに利用している。
「利用者にとって」
・メールやSNSにて気軽にギフトを送れるため、場所や時間的なストレスなくギフトを渡すことが可能。
・受け取ったギフトをいつでもどこでも使える。(※飲みたい時、食べたくないときに商品はいらない。)
・相手の住所がわからなくても、URLさえ連携できれば贈与できる。たとえば、LINEIDだけで可能。
・ギフト券を持ち歩かなくてよい
「ギフトの提供会社にとって」
・ギフトを受け取った方は、新規顧客である可能性が高い。
・クーポンに比べて使用率が高い。
・販売チャネルの多様化になる
・ギフト券の印刷代がかからない
■ギフティの成長により衰退するものはなにか
・インコム・ジャパン
→ギフト用の購入需要に応えて、店頭に設置されているプリペイドカードを提供している会社。
よく見かけるコンビニや大手家電量販店などに置かれているあのラック。
www.toyokeizai.net
ギフティは、「プリペイドカードを電子化し、WEB上で完結する仕組みを作り上げ、
さらに手軽なスタバカードやビール1杯まで範囲を広げてきた。
インコムジャパンは、WEB上ではなく、「物理的にプリペイドカードを購入する意味」を消費者に訴求できなければ、
コンビニや大手家電量販店からプリペイドカードの需要がなくなるのではないだろうか。
■所感
「本当は全企業がギフティのようなプラットフォームを持っていたら、このサービスはいらなかった」
なぜそう思うかというと、Amazonはギフティと同じような仕組みを自社のギフト券にて、すでに行っていたから。
Amazonは、「ギフト券を購入し、他社に送る」というのをWEB決済で簡潔するという仕組みを持っていた。
Amazonのように自社で同じような仕組みを先に普及させていたら違う業界構造になっていたかもしれないと感じた。
「ギフティがどこまで使用用途を想定しているか」
「住所や身元が分からない人にも、メールやSNSを通じてURLを送信してギフトを送信することが可能である」
上記のため、アイドルへの寄付、政治家への寄付、家族への資産贈与などが可能になっていくのではとも思う。
クレジット決済にて、資金を電子化し、銀行振込以外の手段でだれかに贈与することが、
自由(だれでもいつでもいくらでも)にできるときの弊害がないのか。
※贈与税とか、政治資金とか管理できなくなっていくのでは?