【読書ノート】ITビジネスの原理(36冊目)
■概要
- 作者: 尾原和啓
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/01/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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iモードの立ち上げたに関わった人で、グーグルに行った後、楽天へ移り、執行役員をされている方の書籍。
阪神大震災発生後、各被災地の状況が不明で、物資やボランティアの供給に偏りがあった。
そのときに、一つのハブを作り、各地の状況を把握、物資のボランティアを供給することでうまくいったという。
上記の出来事を背景に、情報を一カ所に集めることに価値があることに気づき、プラットフォームビジネスに興味をもったという。
■気になったこと、おもしろかったこと
①人を仕入れて、人を売るのがITビジネスの原理
情報ポータルサイト、検索サイト、キャンペーンサイトなどは、いかに多くの人を集めて、そのサイトを入り口にし、意図する導線通りに動いてもらうかで、ビジネスとして成り立っている。
したがって、あるサービスを利用しようとしたときに、純粋想起になることがとても大事だという。
上記は、「ITビジネスの原理」というよりかは、広告でお金を稼ぐ原理だと感じた。
「いかに多くの人の注目を集め、いかに注目を集めた人を意図する通りに行動させるか。」
上記のような広告の場所としては、これまで以下の通りに変遷してきた。
「人が最も多く通る通り」→新聞→テレビ→インターネット。
現在のインターネット上の広告の特徴として、人物の思考ログが残るため、より正確に個人の趣向にピンポイントな広告を表示できる。
②情報を一カ所に集めることで、どこかのだれか・モノの時間を有効活用し、価値を出すのがITビジネスの原理
具体的に言うと、クラウドソーシング、ラクスル。
「情報を一カ所に集め、細切りにすることで、どこかのだれかがタスクを行えるよう再分配する」
クラウドソーシングであれば、外だしできように汎用化されたタスクを共有し、時間とスキルのあるだれかがそれを請負う。
ラクスルは、全国で稼働していない印刷機に、その持て余している時間に合わせたボリュームの印刷タスクを依頼するサービス。
上記どちらも、インターネットという「場所性を無視して、即時に情報を共有できる」ができなければ、成立しないビジネス。
③ゲームの本質はポケモンから変わっていない
ソーシャルゲームのパズドラをやりだまにあげて、ゲームの本質は「ポケモン」から変わっていないという。
理由としては、人が継続して競いたくなる要素がポケモンと一緒だから。
具体的には、「育成」「収集」「交換」「対戦」の4つ。
これは、ポケモンを作った田尻さんが自著で指摘しているという。
この指摘は、全くその通りでおもしろい。
昔の遊びではやったものには、なにかしら上記4つの要素が入っている。
その人が夢中になる4つの原則をすべて取り込んだのがポケモンだったと思うと、すごい。
昔ながらのゲームも、ファミコンゲームもプレステも、ソシャゲもVRもそれぞれゲーム機や媒体は違うが
上記4つの要素は普遍的なのだろう。
ちなみに、田尻さんの新ゲームデザインはどこも在庫切れで、Amazonではプレミアな価格がついています。笑
- 作者: 田尻智
- 出版社/メーカー: エニックス
- 発売日: 1995/12
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