【読書ノート】働く意義の見つけ方(30冊目)-仕事を「志事」に対する流儀-
■概要
- 作者: 小沼大地
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2016/09/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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青年海外協力隊からマッキンゼー、NPO法人設立といった異色のキャリアをもつ方の書籍。
最近、ワールドビジネスサテライトなどで紹介された「留職」サービズを提供しているNPO法人の代表者である。
一見、華麗に見えるキャリアの裏側には、数多くの「挫折」や「困難」、「苦悩」があった。
そして、それを「熱い想い」によって、どう乗り越えてきたか。「これから社会にどんなインパクトを与えていきたいか」ということがまとめられている。
■気になったこと、おもしろかったこと
①大きな組織で働くことにより、「働く」に対する熱がなくなる原因は、「社会とのつながり」が感じにくいため
青年海外協力隊から帰ってくると、同期で大企業に就職した友人の目に仕事に対する情熱が消えていたという。
その原因は、自分の仕事が「具体的にどのような人々の生活に役立っているのか」、という「社会とのつながり」が実感できていないから。
これには共感できる。自分自身も、実際にシステムを使用するユーザーと対面し、フィードバックをもらった仕事のほうが、モチベーションがあがった記憶がある。
ただ設計書通りにプログラムを作って検証し納品するという仕事よりも、システムを使用するユーザーとのコミュニケーションを通して、
なんのためにその仕事をしているのかという実感が効果的だった。
②途上国への支援からビジネスが始まる
留職を通して、途上国の生活に根ざした課題を解決することで、それが展開されていく場合がある。
NECの事例では、留職として派遣された場でインドにて、ドライバーの発注管理をタブレット端末で管理できるようなシステムを導入し、それがより多くの地域で導入を検討されているという。
ただ一つのプログラムで終わるのではなく、留職を行った企業という単位で、途上国でのビジネスチャンスが広がる可能性があるというのは意外であった。
③前例がない提案は、営業の難易度は高い。
本書を読んでいて切実に伝わってきた。どんなに営業相手が共感・協力してくれても、決済者を説得するには前例が要求される。
まず最初の実績を作ることが、なかなか難易度が高いようである。
結果として、筆者は「類似事例を提案資料に加える」という解決方法をとり、問題を解決していた。